2016年3月19日土曜日

川東地区 6分団合同訓練 2016【PartⅢ】

◆吸水について (水利元車両)

消火栓(有圧水利)からの吸水はそれほど問題はありませんが、自然水利(無圧水利)からの吸水は物理的な制限を受けるので注意が必要です。

大気圧(1気圧=1013hPa=760mmHg)の下で、完全に真空に出来れば、理論的には10.33m まで水を吸い上げることが出来ますが、真空ポンプの性能、水の密度や温度、海抜高度、吸管の吸水損失… etc.の影響で、最も良い条件が重なったとしても8.0~8.5m 程度になってしまいます。
※ 水温と吸水高さの実験値 (消防ポンプ(全国消防協会))

上記グラフより、実際の吸水高さの限界は、6m 前後 と考えた方が良さそうです。
 
今回の訓練では、西池水面までの落差(吸水高さ)を 4m に設定。また、林野火災ということで送水量もある程度確保しないといけないことから ダブル吸管 × 65mmホース2線各1本延長 で計画頂いていました。
【ダブル吸管】
【65mmホース2線各1本延長 ⇨ 八木分団へ】
大塩分団の筒先放水量 1163(㍑/min)であれば、シングル吸管×65mmホース1線延長でも対応出来たと思いますが、予測不能の林野火災に対応するための対策(基本)ということなのでしょう。


☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。


今回の訓練とは別に、無圧水利に部署してシングル吸管で吸水中に、吸水量不足から連成計圧が不安定になった場合、途中でもう1本の吸管を投入して吸水(ダブル吸管)することがあります。

この時に使用するのが エジェクターバルブ です。ポンプを停止することなく、送水している水の力で吸管のエアを吸い出して真空にし、並列吸水に移行出来るので非常に便利です。

実地訓練の動画がありましたので、機関員の方は参考にして下さい。


0 件のコメント:

コメントを投稿